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2007年03月29日(木) 13時06分

靖国合祀、安倍首相、国関与「問題ない」朝日新聞

 安倍首相は29日昼、旧厚生省と靖国神社が一体となって戦没者の合祀(ごうし)の基準を決めていた実態が内部文書で明らかになったことについて「問題ないと思う。合祀を行ったのは神社でしょうし、旧厚生省は情報を求められて情報を提示したということじゃないですか」と述べた。文書はBC級戦犯を目立たないように合祀してはどうかと厚生省側が提案した事実など、国主導で合祀が進んだことを示す資料といえるが、首相の発言は国の関与が限定的で強制性がなく、憲法の政教分離原則の観点からも問題ないとの認識を示したものだ。

 首相官邸で記者団の質問に答えた。

 塩崎官房長官も同日午前の記者会見で「旧厚生省は旧軍の人事資料を持っていたことから、86年度までは靖国神社を含めて遺族、戦友会などからの調査依頼に対して、一般的な業務の一環として回答をしてきた」と説明。「最終的に判断をするのは神社で、強制をしているようなことではない」と語った。

 また、塩崎氏は4月の中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相来日への影響について「特に新たなことが出ているわけではない」と述べた。

 一方、自民党の山崎拓元副総裁は29日昼の山崎派総会で「(合祀への)政府の責任は確かにある。分祀ができれば首相も外交問題を惹起(じゃっき)せずに参拝できる。改めて分祀を求めたい」と語った。

http://www.asahi.com/politics/update/0329/002.html