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2007年03月29日(木) 13時45分

3月29日付・よみうり寸評読売新聞

 〈テレビの黄金時代〉——小林信彦さんの著書の題だ。植木等さんの訃報(ふほう)に接し、「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題のニュースを思い合わせて、この本を読み直してみた◆小林さんのいう黄金時代は「1961、62年あたりが始まりで終わりは1972、73年あたりと考えてよい」とある。テレビの黄金時代はもう35年も前に去ったのか◆61年はNHKの「夢であいましょう」、NTVの「シャボン玉ホリデー」、TBSの「七人の刑事」……が始まった。62年には朝日放送の「てなもんや三度笠」が加わる◆72年には「シャボン玉ホリデー」が終わった。73年は日本のテレビ放送開始から20周年に当たる。「この20年間であらゆる実験、エンタテインメントは試み終えられた感が深い」と小林さん◆その黄金時代にクレージーキャッツがいた。渥美清、坂本九、青島幸男がいた。さて今、「発掘!あるある大事典2」の捏造問題で、関西テレビの民放連除名が決まった。黄金時代も遠い感が深い◆除名は当然としても、処分した側にも大丈夫?と問いたくなる。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070329ig05.htm