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2007年03月29日(木) 00時00分

不二家「みの朝ズバッ!」TBSに抗議朝日新聞

 1月に不適切製造が発覚した大手菓子メーカー「不二家」が28日、1月22日のTBS系「みのもんたの朝ズバッ!」(月〜金午前5時30分)の放送内容に対し、事実誤認の抗議をしていることが明らかになった。同社は記者会見で説明したが、TBSも報道機関に説明会を開いて一部の不正確な表現を認めながらも、取材の信頼性には自信を示した。今後も両社間で話し合いが行われていく予定だ。

 不二家は、経営再建を考える外部有識者で結成した「外部から不二家を変える改革委員会」後に会見。「朝ズバッ!」で指摘された「平塚工場で期限切れのチョコレートをパッケージを付け替えて再使用したこと」「売れ残りチョコレートを回収し、溶かして再製品化して出荷した」という2点について放送直後に「事実ではない」とTBSに指摘していたことを明かした。29日発売の「週刊文春」により表面化した。

 同番組は「平塚工場の元従業員の証言」を元に構成された。この日午後、同問題について説明したTBSも、不適切な表現を認めた。「牛乳のような何かを注ぎ足した」という証言を「牛乳と断定したフリップで報道してしまい、正確性に欠いた」と説明。また、出演した複数の証言者が、10年以上前の従業員だったことを明かし「現在の従業員のように思わせたことは、説明不足で問題があった」とした。

 ただし、不二家から指摘された2点については「元従業員の証言は具体性があり、証言内容も一貫して変わっていない。取材内容には信頼性を持っている」と、主張した。一方の不二家も今後、訴訟を起こすつもりはないという。不二家広報室は「私どもも洋菓子について不備があり、すべてに胸を張って言えるわけではないが、明らかに事実と異なる部分は修正をお願いしたいとTBSと話し合っている」。強気になりきれない胸中が見えてくる。

 TBSも「人間!これでいいのだ」や「サンデージャポン」の不適切な放送内容で視聴者に誤解を与えたばかり。責任を取り月額報酬10%の返上を発表したばかりのTBS井上弘社長は、この日の会見で「史上最高の営業利益見込みで、ドラマなどで視聴率も好調。上げ潮ムードの中で、信頼を失墜するようなことはもったいない。教育、チェック体制も必死でやってるのですが…」と困惑していた。

http://www.asahi.com/culture/tv_radio/NIK200703290008.html