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2007年03月29日(木) 00時00分

宍道断層/「出雲地震の原因」朝日新聞

∞調査グループ 将来M7級も指摘∞

 中国電力島根原発周辺の活断層を調査している広島工大などの調査グループは28日、同原発の南約2キロの地点を東西に通る宍道断層について、880年の「出雲地震」を引き起こした活断層と断定したと発表した。昨年、断層の一部を見つけた松江市上本庄町の調査地点で発掘した土器の年代測定で特定した。中田高・広島工大教授は「将来マグニチュード7クラスの地震が起きる可能性を裏付けている」と話している。

 平安時代に、当時の朝廷がまとめた歴史書「日本三代実録」の中に、出雲地震で多くの負傷者が出たとの記述があり、マグニチュード7・0程度の地震だったと推定されている。震源はこれまで、同原発の約24キロ南東にある別の断層と考えられていた。

 調査グループは今月上旬から田中義昭・元島根大教授(日本考古学)に依頼し、中電の想定よりさらに東側にある断層の発見地点で発掘調査を実施した。田中元教授は活断層が動いた影響でできたひび割れのある地層の中の土器の破片から全体の形状を復元。880〜915年の間に作られたおわんの台の部分と特定した。同グループはこの時期にほかに大地震が起こった記録がないことから、宍道断層を発生源と確認した。

 中田教授は「中国電力は活断層の長さだけにこだわらず、過去の地震の周期などを調べるべきだ」と話している。

http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000000703290001