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2007年03月28日(水) 00時00分

市町村議選で危機感募る民主党朝日新聞

 4月22日投開票の統一地方選後半戦を前に、民主党県連が危機感を募らせている。昨年の市議選で公認候補が軒並み落選し、地方での弱さが露呈したためだ。統一選には、6市で14人の公認・推薦候補を立てるが、結果が振るわないようだと、夏に控える参院選にも影を落とす可能性もあり、県連は「全員必勝」を期している。

 民主党は昨年の桜川、稲敷、笠間の3市議選で公認候補を1人ずつ立てたが、いずれも落選。桜川市議選では最下位に終わった。

 このうち、昨年落選した男性は「地縁血縁がものを言う田舎の選挙は、都市部とはちがう。特に農村部はほとんどが保守系。公認をもらっても、当選は厳しかった」と話す。

 落選した別の男性は、党の支援態勢に不満げだ。「周囲の市町村からも応援すると言われたが、実際は期待はずれだった。労組票も伸びず、裏切られた気分だ」。今回の統一選にも「県連の総力をあげて取り組まないと、自分の二の舞いになる」と警鐘を鳴らす。

 長谷川修平県連幹事長は敗戦が続いた要因について「合併後の選挙で定数が削減したにもかかわらず、新たな支持者が広がらなかった」と説明する。別の県連幹部は「日頃からの活動が欠けていたのかもしれない。このような状態が続けば参院選にも影響しかねない」と危機感を口にする。

 参院選の前哨戦と位置づける統一選に、県連は公認・推薦14人(現職10人)を擁立した。日立市議選(定数30)には、組織力のある日立製作所労組を支持基盤に最多の8人、土浦市議選(同28)にも初めて、公認候補を立てる。

 「現職の国会議員や県議も応援に入り、全員当選を狙う」と長谷川幹事長。最大の支持母体の連合茨城からもほぼ全員の推薦をとりつけた。

 ただ立候補予定者にとって、党を前面に掲げるかどうかは複雑だ。結党以来の党員でありながら、無所属にこだわる立候補予定者は「地元の支持団体から要望があった。地元の選挙風土などを考慮すると、無所属で幅広い層からの票獲得が必要」と説く。一方、公認を受けた立候補予定者は「有権者には市議選とは言え、政権交代を見据えた判断をしてほしい」と国政を意識した票の取り込みを狙う。

 立候補予定者への支援は県内に七つある総支部が主体となる。しかし、県連とのパイプ役の総支部長がいるのは3総支部のみで、残りは不在のまま。先月下旬の定期大会では河原井大介・城里町議がこの現状に触れ、「総支部長が空席では(党員拡大などの)地域活動に支障が出る」と訴えた。県連も「地方の支持者発掘は重要課題」としており、統一選、参院選に向けて、地方への浸透力アップも鍵の一つとなりそうだ。

 一方、公認候補擁立を水戸市の4人にとどめている自民党県連は、こういった民主党の動きにも冷静だ。県連幹部は「無所属でも自民党系の立候補予定者は相当いる。それに市町村議選は党の力よりも、候補者一人ひとりの資質で勝つものだ」と話している。

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000000703280005