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2007年03月28日(水) 21時32分

3社員に40万〜80万円賠償命じる NTT配転訴訟朝日新聞

 NTTグループの合理化計画をめぐり、NTT西日本(大阪市)の社員23人(5人は退職)が「遠隔地に配置転換させられたのは不当だ」として、1人あたり300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。山田陽三裁判長は「合理化計画の必要性は認められるが、持病などの事情がある社員の配転を命じたのは違法だ」と判断。同社に対して3社員に40万〜80万円を支払うよう命じた。20人の請求は棄却した。

 判決によると、同社は01年に発表した合理化計画に基づき、51歳以上の一部従業員に賃金カットを伴う子会社での再雇用▽勤務地を問わない残留——のいずれかを選択させた。この方針に反発した原告23人は02年5月以降、近畿地方から名古屋などへの配転を命じられた。

 判決は、合理化計画の必要性について「当時、固定電話をとりまく経営環境に大きな変化が生じており、計画の必要性はあった」と指摘。そのうえで同計画に基づく配転命令の違法性を検討し、23人のうち家族の介護や持病の治療に要する時間の確保が困難になった3人への命令については「著しい不利益を負わせた」と判断した。

 NTT西日本広報室の話 一部主張が認められず、誠に遺憾。今後の対応は判決を精査して検討したい。

http://www.asahi.com/national/update/0328/OSK200703280148.html