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2007年03月28日(水) 15時46分

丸太輸送、8社もリベート 所得隠し10億円朝日新聞

 マレーシア・サラワク州政府首相一族の関係先に日本の海運会社がリベートを支払っていたと指摘された問題で、海運大手の商船三井の子会社「商船三井近海」(東京都港区)など海運8社も東京国税局から、06年3月期までの7年間に計約10億円の所得隠しを指摘されたことが分かった。追徴税額は重加算税を含めて計約4億数千万円とみられる。丸太輸送に便宜を図ってもらうためのリベートを、現地での荷積み費用などに見せかけて払ったと認定された模様だ。

 既に指摘を受けた「関西ライン」(同中央区)を含めた9社の所得隠し総額は7年間で総額11億数千万円に上る。課税処分は7年しかさかのぼれないが、支払いは26年前から続いており、リベート総額はこの数倍にのぼるとみられる。

 9社は海運カルテルの「南洋材輸送協定」(NFA)の加盟社などで、他に指摘を受けたのは日之出郵船(千代田区)、第一中央汽船(江東区)、新和海運(千代田区)、日正汽船(港区)、日本マリン(同)、東京船舶(千代田区)など。

 関係者によると、各社は同州政府首相の弟オン・ビン・マハムド氏が代表の州政府系会社「デワ・ニアガ・サラワク」(DNS)に指示され、香港の仲介業者「リージェント・スター」(RS)に、現地での荷積み費用などの名目で「仲介料」を支払っていた。

 国税局の調べで、RSに業務実体がなかったことが判明。木材輸出の実権を持つDNSと実質一体のRSを「受け皿」として、リベートを払っていたと認定したとされる。

 9社のうちシェアが最も多い商船三井近海は「実際に業務をしてもらっており、適正な支出だと考えている。指摘には不満があり、異議を申し立てる」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY200703280221.html