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2007年03月28日(水) 12時23分

記録媒体、川から発見 「デンソー」の設計データ横領朝日新聞

 大手自動車部品メーカー「デンソー」(本社・愛知県刈谷市)から設計データの入った社有パソコンが持ち出された事件で、愛知県警は28日までに、中国籍の同社技術者、楊魯川容疑者(41)=横領容疑で逮捕=の供述に基づき、破壊された記録媒体数個を川などから発見した。県警は、楊容疑者が証拠隠滅のため、入手したデータを移した記録媒体を壊して捨てたとみて調べている。

 外事課と刈谷署の調べでは、楊容疑者は昨年10〜12月、計約13万件の電子図面を社有パソコンにダウンロードした。社有パソコンの操作記録には、少なくとも約10種類の外部記録媒体が接続された形跡があった。

 これらの記録媒体について、楊容疑者は「どぶや川に捨てた」と供述。県警が、楊容疑者を同行し、刈谷市内の自宅マンション近くの側溝1カ所と、同市に隣接する同県高浜市の川3カ所を捜索した結果、外付けハードディスクとUSBフラッシュメモリーが数個見つかった。いずれも、手で折ったり歯でかんだりして壊されていたという。

 楊容疑者は、記録媒体を廃棄した理由を「アダルトビデオを取り込んだから」などと説明しているという。会社の調査を初めて受けた2月14日から、突然中国に帰国した同月16日までの間に捨てたと供述しているといい、県警は裏付けを進めている。

http://www.asahi.com/national/update/0328/NGY200703280002.html