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2007年03月28日(水) 20時22分

住友金属、ブラジルに小型高炉建設へ 仏メーカーと合弁朝日新聞

 住友金属工業は28日、需要が伸びている油井用シームレスパイプ(継ぎ目なし鋼管)の5割増産に向けて、仏メーカーと合弁でブラジルに小型高炉を建設すると発表した。総事業費は約2000億円で、合弁会社に約4割出資する。国内鉄鋼大手では新日本製鉄もブラジルの傘下メーカーで高炉建設を検討するなど、成長する海外市場開拓に向けて現地生産を拡大する動きが加速している。

 住金は提携先の鋼管メーカー仏バローレックとの間で、一貫製鉄所をブラジル・ミナスジェライス州に建設し、10年に稼働させることに合意した。粗鋼生産量は年約100万トンで、30万トンの半製品をバ社に売って60万トンの鋼管を造り、両社が30万トンずつ売る。住金は合弁会社に約43%を出資し、役員は両社同数。

 記者会見した安藤力副社長は「鋼管は一貫生産が重要なので高炉も造る。ブラジルはアフリカ沿岸など(石油・天然ガス開発の)成長市場にも近い」と話した。

 油井用シームレスの世界需要は15年に現在より2割増の見通し。住金は、主力の和歌山製鉄所の増強や新製鉄所の稼働で110万トンの年産能力を160万トンに高める。

http://www.asahi.com/business/update/0328/151.html