記事登録
2007年03月28日(水) 03時01分

井植社長・野中前会長への退職金を凍結 三洋電機朝日新聞

 三洋電機は28日、退任する井植敏雅社長(44)の後任に、佐野精一郎執行役員(54)を昇格させる。井植社長の意向を反映した人事だが、米ゴールドマン・サックスも金融機関出身者を除く取締役と執行役員を対象に個人面談を行い、社長候補を絞り込んだ。生え抜きの役員らに対し、今後の経営再建が金融機関主導で進むことを印象づける狙いとみられる。

 佐野氏は77年関西学院大経済学部卒。人事労務畑を歩き、97年に人事部担当部長、00年に総務・人事部長、05年から執行役員・総務人事本部長を務める。

 また三洋が、井植社長と19日に辞任した野中ともよ前会長(52)に対し、退職金にあたる役員慰労金を当分の間支払わないことが分かった。社内規定に「役員慰労金の支払いは業績回復にめどがたつまで凍結する」とあり、2人は経営再建が遅れている責任を、自らの退職金凍結という形で負わされる。

 井植社長と野中前会長は05年6月の就任直後に経営再建に向けた3カ年計画を策定。06年3月期決算で200億円の最終黒字を達成するとしていたが、実際には携帯電話の販売不振やリストラ費用がかさみ500億円の最終赤字となった。

 内規は「業績の回復」の具体的な基準を定めておらず、支払い時期は取締役会に一任するとしている。

http://www.asahi.com/business/update/0328/007.html