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2007年03月27日(火) 23時22分

青森・武富士放火殺人事件 小林光弘被告の死刑確定へ朝日新聞

 01年、青森県の消費者金融・武富士弘前支店に放火し、従業員5人を殺害、4人を負傷させたとして強盗殺人や現住建造物等放火などの罪に問われ、一、二審で死刑判決を受けた元タクシー運転手小林光弘被告(48)の上告審判決が27日、あった。最高裁第三小法廷(上田豊三裁判長)は「強盗に至った動機や経緯に酌量の余地はなく、結果は極めて悲惨で重大だ」と述べ、被告の上告を棄却した。一、二審の死刑判決が確定する。5裁判官一致による結論。

 第三小法廷は一、二審と同様、従業員らが焼死する可能性が高いことを認識しつつあえて火を放った「未必の殺意」があったと判断。「恐怖におののいている被害者を焼き殺したのは、凶悪で残虐だ」として、一、二審の死刑判決は「やむを得ないものとして是認せざるを得ない」と結論づけた。

 判決などによると、小林被告は借金の返済に困り、01年5月8日、武富士弘前支店でガソリンを主成分とする混合油約4リットルをまいたうえ、金を奪おうとしたが、支店長らが警察に通報するなどして応じなかったため、憤激のあまり放火。20歳から46歳の男女計5人の命を奪った。

http://www.asahi.com/national/update/0327/TKY200703270509.html