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2007年03月27日(火) 21時00分

羽田—北京日帰り便構想 経財諮問会議民間議員、提案へ朝日新聞

 政府の経済財政諮問会議(議長・安倍首相)の民間議員は27日、羽田空港の規制を緩和し、08年の北京五輪までに羽田—北京間を日帰りで往復可能にするよう、同会議で提案する。国土交通省は、羽田の発着枠が満杯状態であることなどから、ソウルや上海などビジネス需要の高い都市へのチャーター便を除き、国際便の就航を否定している。調整が難航するのは必至で、羽田の24時間対応と国際化を任期中に実現する方針を表明している首相の指導力も、問われそうだ。

 首相が議長のアジア・ゲートウェイ戦略会議も中間論点整理に、羽田の国際化を加速する必要性を明記。これを受け、民間議員は国際化の時期を、羽田の4本目の滑走路が完成する10年から2年前倒しし、北京五輪の開催に合わせるよう提案する。「深夜・早朝の時間帯を利用し北京日帰りを」として、国交省に検討を迫る構えだ。

 羽田空港は03年に韓国・金浦空港へのチャーター便を開始し、一部の国際便にも対応している。しかし、国交省によると、中国政府と現在交渉中の上海とのチャーター便が実現した段階で「発着枠の限界」となり、北京五輪で渡航需要が高まっても時限的なチャーター便以外の増便は困難という。深夜・早朝の時間帯も、千葉県など周辺自治体や住民の理解を得るのが難しい、という事情もある。

 現時点では、新滑走路完成後も、国交省は国際定期便の対象を、羽田から約2000キロ圏内で需要の高い地域に限定する方針だ。

http://www.asahi.com/business/update/0327/163.html