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2007年03月27日(火) 15時07分

三洋・井植社長が退任へ GSと路線対立 後任に佐野氏朝日新聞

 三洋電機は27日、井植敏雅社長(44)が退任する人事を固めた。筆頭株主の米証券大手ゴールドマン・サックス(GS)との路線対立に加え、決算の不適切な処理の問題や業績低迷の責任を明確化するためで、28日に予定されている取締役会で辞意を表明する。後任は佐野精一郎執行役員(54)が昇格する見通しだ。

 関係者によると、GSが三洋の最大の収益源である充電池事業の売却を求め、井植社長らが「三洋の解体につながる」と反発していた。GSは三洋の優先株を引き受ける形で1249億円の金融支援を実施し、普通株換算で議決権の約33%を握っている。大和証券SMBCと合わせると、約66%(普通株換算)に達する。金融機関側の意向に、井植社長らは抵抗しきれなかった。

 井植社長は05年6月に就任した。父で前会長の井植敏最高顧問も退任する見通し。三洋電機は敏氏の父の井植歳男氏が創業した。井植社長の退任で、創業家は経営陣から退くことになる。今後、金融機関主導が一層強まりそうだ。

 三洋の充電池事業は世界シェア1位を占める。電池事業は06年3月期連結決算で売上高約4200億円。部門別で最大となる360億円の営業利益を上げた。投資の利益を確保したいGSは売却を求めているが、三洋電機労組は27日、「コア事業の売却には断固反対する」との声明を出した。

http://www.asahi.com/business/update/0327/106.html