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2007年03月27日(火) 20時00分

目標「市民が読む外交青書」 文字減・写真増やし発表朝日新聞

 外務省は27日、07年版「外交青書」を発表した。文字数を3割ほど減らす一方、写真を増やして見やすさを重視した。さらに同省の「政府開発援助(ODA)白書」とダブっていた部分を削除して06年版より約50ページスリム化し、英語版の出版も取りやめた。同省は「市民が最後まで読む白書」をめざすが、お堅い白書を果たして市民が手にとるかどうか——。

 青書は06年の国際情勢と日本の外交活動を紹介している。北朝鮮の核問題では「平和と安全に対する重大な脅威。断じて容認できない」との立場を強調。今年2月の6者協議で「初期段階の措置」に合意したことを「朝鮮半島の非核化に向けた第一歩」と評価した。

 中国については、毎年10%以上伸びている国防費を「内訳や軍事力近代化に不透明な部分がある」と指摘。弾道ミサイルによる衛星破壊実験については「宇宙の安全利用、安全保障上の観点から懸念がある」とした。

 与党内には「白書不要論」もあり、予算も年々減る一方だ。昨年度は1800万円だった予算が、今年度は1600万円、新年度は1200万円になる見通しだ。「紙質を落として質落とさず」としているが、1冊1800円(06年版)の購入者が増えるかどうかは未知数だ。

http://www.asahi.com/politics/update/0327/010.html