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2007年03月27日(火) 00時00分

文化庁長官に文化人類学者の青木保氏朝日新聞

 政府は27日、文化庁長官に文化人類学者の青木保・早稲田大客員教授をあてる人事を閣議決定した。4月1日付で発令する。河合隼雄・前長官の病気入院に伴って文部科学審議官から昨年11月に就任した近藤信司・現長官は、在任5カ月で4月1日に退職する。

青木保氏

 文化庁長官に民間人が起用されるのは、作家の今日出海氏、三浦朱門氏、心理学者の河合氏に続いて4人目。起用について、伊吹文部科学相は27日の閣議後の会見で「(文化庁長官には)最高の文化人、国際感覚のある文化人をとの理由でお願いした」と話した。

 青木氏は日本民族学会(現日本文化人類学会)元会長。バンコクの仏教寺院で修行、托鉢(たくはつ)した経験をまとめた「タイの僧院にて」など、著書は数多い。論壇でも比較文化論の視点で、民族問題から大衆文化まで、様々なテーマを論じてきた。

 近年は国の文化政策や文化外交を研究し、日本文化を世界に向けて発信する方策や、文化庁の権限強化などについて発言している。94〜96年、朝日新聞紙上で「論壇時評」を執筆した。

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200703270052.html