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2007年03月26日(月) 16時39分

人材バンク、人事当局との連携明記 政府案を自民に提示朝日新聞

 政府は26日午前、国家公務員の再就職あっせんを内閣の「新人材バンク」に一元化する天下り規制策を柱とした公務員制度改革の政府案を自民党に示した。人材バンクへの各省庁の関与について原則で「バンク職員に出身官庁職員の再就職はあっせんさせない」と記す一方、法案骨子で「必要なキャリア及び人的情報の把握」について各省人事当局との連携を明記し、事実上、省庁の関与の余地を残した。人材バンクへの移行期も「各省あっせんの併存」を容認したが、焦点の移行時期は安倍首相の判断に委ねた。

 政府案は「改革の基本的考え方」で改革の必要性について「公務員制度改革は、戦後レジームからの脱却の中核」と位置づけた。官民交流の活性化を重視する一方、「国民の目から見て、押しつけ的あっせんが存在している」と強調した。

 「『新・人材バンク』3原則」では(1)人事の一環から再就職の支援へ(2)各省縦割りから内閣一元化へ(3)透明性と規律の確保を提示。「内閣」に設置し、各省人事当局と企業等の直接交渉も禁じたが、「各府省からの中立性を徹底し、実効性ある効率的な組織・運営とする」とし、人材情報などを取り込む「体制の構築に配慮する」と骨子に明記、各省人事当局との連携の余地を残した。

 一方、移行期間は、自民党の片山虎之助参院幹事長が「5年」を提案。経済財政諮問会議の民間議員も「5年以内」を提案しており、首相が判断する方針だ。

 政府案では、各省庁の幹部ポストの1割を公募する制度を07年度から導入することや、長期在職できる「専門スタッフ職」の08年度導入も盛り込んだ。

 党側はこの政府案の提示を受け、手続き開始は了解したが、内容は今後の議論に委ねる。政府は27日の経済財政諮問会議で政府案の概要を報告する。

http://www.asahi.com/politics/update/0326/001.html