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2007年03月26日(月) 20時50分

北アイルランド自治政府、4年半ぶりに復活へ朝日新聞

 英領・北アイルランドの主要2党が26日、ベルファスト郊外の自治議会で直接交渉に臨み、5月8日から自治政府を4年半ぶりに復活させることで合意した。今月初めの議会選挙で第1党となったプロテスタント強硬派民主統一党(DUP)と第2党のカトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)の政治組織シンフェイン党が正副首相を分け合う形で「二頭体制」が発足するとみられる。だが、両党の敵対関係は解消されておらず、危うさをはらんだ船出となる。

 この日、DUPのペイズリー党首とシンフェイン党のアダムズ党首が初めて直接交渉。長年、鋭く対立してきた両党による「歴史的会談」だ。

 復活が決まった自治政府は、今月9日に開票結果が判明した議会選挙の獲得議席などに基づき閣僚ポストを配分する。DUPが首相をはじめ4閣僚を占め、次いでシンフェインが副首相と3閣僚、プロテスタント穏健派のアルスター統一党(UUP)が2閣僚、カトリック穏健派の社会民主労働党(SDLP)が1閣僚を得るとの見方が強い。正副首相の権限は対等で、プロテスタント、カトリック両陣営の共存を促す仕組みだ。

 DUPは24日に党員集会を開き、自治政府を復活させる期限を6週間先送りし、5月に首相など主要閣僚を選出する方針で合意していた。

 英政府にとって自治政府復活の最終期限は、ブレア首相が正式に辞意を表明すると伝えられる5月上旬。また、同首相と和平の仲介役を果たしてきたアイルランドのアハーン首相にとっても、5月にも予定される総選挙を有利に戦うため、5月以降の自治政府発足は受け入れられなかった。

http://www.asahi.com/international/update/0326/005.html