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2007年03月26日(月) 20時56分

余震200回超、不安な一夜 能登半島地震朝日新聞

 能登半島地震から一夜明けた26日、被災地には最大で震度5弱の余震が続き、地震発生後、体に感じる余震は200回を超えた。滑走路が閉鎖されていた能登空港など交通機関の一部は復旧し始めたが、けが人は210人、建物損壊の戸数も798戸と増え、石川県内では断水世帯は5000戸以上に上る。被災者の不安は募る。

門前町道下の諸岡公民館では、被災者が余震におびえながら一夜をすごした=26日午前6時53分、石川県輪島市で

襲ってきた余震におびえる被災者ら=26日午前6時45分、石川県輪島市門前町道下の諸岡公民館避難所で

当面の着替えを持ち出すため倒壊した自宅に入る林義弘さん(59)。地震発生時、79歳の母親は、左腕を骨折したがはい出して助かった=26日午前7時39分、石川県輪島市門前町道下で

 気象庁によると、26日未明に1時間に7回の余震が発生。同午前7時過ぎ、同県七尾市や輪島市で震度4の揺れを観測した。

 同庁は、今後3日間でマグニチュード6.0以上(震度で5強〜6弱)の余震の発生確率を10%と発表した。日本の内陸部で普段、M6.0以上の地震が発生する確率は0.01%だという。

 今回の地震は、日本列島が乗る陸のプレート(岩板)の中で、断層が割れたりずれたりして発生する内陸型地震。「割れ残り」や「ずれ残り」の部分が壊れ続け、これが余震となって地上に伝わってくるという。

 余震のマグニチュードは2〜5に落ちてきているが、震源は深さ約10キロと浅く、陸地に近いと強い揺れになりやすいという。

 各県警などの26日午前11時現在のまとめによると、石川県内で新たに重軽傷者と建物損壊の数が増え、死者1人、重傷者21人、軽傷171人。富山県では重傷1人、軽傷11人。新潟県で重傷1人、軽傷3人。建物損壊は、石川県で全壊72戸、半壊144戸、一部損壊388戸、空き家損壊99戸。新潟県で一部損壊3戸、空き家損壊3戸。岐阜県で一部損壊2戸となった。

 避難者数は、減って2340人となった。

 滑走路に亀裂が入り、閉鎖されていた能登空港(石川県輪島市)は復旧工事が終わり閉鎖が解除された。午前11時3分に東京からの第1便が到着した。

 JR北陸線は朝から平常通り運行。JR七尾線は26日朝、和倉温泉駅構内で、信号機の制御装置の故障が見つかり、七尾—和倉温泉間で午前中の運転を見合わせた。JR西日本金沢支社によると、余震が原因と見られるという。

http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY200703260060.html