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2007年03月26日(月) 00時00分

冷淡で怖い夫に吐き気催す読売新聞

 40歳代女性。両親が勧めるままに結婚し21年になります。大学生、高校生の息子、中学生の娘と、3人の子どもには恵まれました。

 でも結婚当初から、夫のことを自己中心で冷たい人だとずっと感じてきました。機嫌が悪いとどなり、私と子どもたちは、夫の機嫌を損なわないよう、びくびくして暮らしてきました。

 数年前、娘が学校でいじめに遭いました。私は先生には相談しましたが、転居したばかりで友達がなく、夫が頼りでした。でも夫は相手にしてくれませんでした。娘が「転校させて」と泣いて頼んだ時も「どこにそんな金がある」と言い部屋を出ていきました。

 その後いじめはなくなりましたが、娘も私も、夫とは会話もなく暮らしています。娘は夫の前で手が震え、私は動悸(どうき)がひどく吐き気を催すこともあります。

 長男に加え、二男が今春進学で家を出ます。私も娘と一緒に家を出るべきか、それとも思いとどまった方がいいのか。悩んでいます。 (千葉・A子)

 両親の勧めるまま結婚して21年、自己中心で冷たい夫は相談相手にもならず、会話もなく、顔色をうかがうだけ。「愛のない結婚」というのは小説や映画などフィクションの世界ではよくある言葉ですが、あなたのお手紙を読んでいると、現実のものとしての実感が伝わってきます。

 夫が家の外ではどんな人なのか、本人の言い分も知らないまま結論を出すのはどうかとは思いますが、娘さんは手が震え、あなたは動悸で吐き気を催すまでとなると、やはり離婚、別居を考えた方がいいのではと思います。もちろん、すぐにというのではなく、準備をして気持ちの上でも経済的な面でも見通しを立ててからにはなるでしょうが。

 「子どもがいるということは、かつて愛し合ったことがある証拠だ」という台詞(せりふ)がありました。夫との間に3人の子どもがいるあなたも今は憎しみしかなくても、愛し合った時を思い出されるかもしれません。そのために、もう一度考え直す余地を残しておくことだけは申し添えておきます。

 (大森 一樹・映画監督)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20070326sy41.htm