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2007年03月26日(月) 00時00分

人材獲得競争に熱…良い面接官を養成するDVD登場ZAKZAK

 【DVDの中身】

 「面接官トレーニング基礎編」(3万1500円)なるDVDを発売したのは、人事・採用コンサルティングなどを手がけるトライアンフ(東京・恵比寿)。

 「面接者=エラいという態度では、人材を採用できなくなっているのが実情です。応募者に悪い印象を持たれると、すぐにインターネットの掲示板に書き込まれ、その会社のイメージが悪くなってしまう」とは同社市場開発グループマネージャの奥原崇行さん。

 悪い面接官では、優秀な人材に逃げられるだけではなく、場合によっては会社のイメージまで悪くしてしまう。そうならないためのノウハウを詰め込んだのが、このDVDというわけだ。

 20分ほどの映像では、「良い面接官」と「悪い面接官」を非常に分かりやすく対比参照。一見、コミカルな感じにも見えるが、内容はいたってまじめだ。

 実際に映像を見ると、「良い面接官」は応募者が入室すると自らも立ってあいさつ。自己紹介をして、態度や言葉遣いも丁寧だ。

 「悪い面接官」は、横柄な態度をとったり、腕を組んでため息をついたり。資料を見ているだけで顔を上げず、差別発言やプライバシー侵害になるようなことを聞く。

 こうしたことが映像の対比で分かりやすく表現されている。

 「たとえ採用にならなかった応募者でも(人材の流動化で)その後にまた接点ができるかもしれないし、消費者として自社の製品やサービスを利用するかもしれません。採用にも顧客満足度の観点が重要」と奥原さんは指摘する。

 【売り手市場】

 戦後最長の景気拡大期にあるなか、団塊世代の大量退職などに直面し、企業の人手不足感は強まっている。数年前までの就職氷河期は一転、就職希望者が会社を選別する「売り手市場」になっている。

 各企業の採用人数をみても、三井住友銀行が今春の1400人に対し、来春は1600人を採用予定。日本IBMは今春比52%増の350人、日本生命も20%増の1300人を予定する。

 「ところが、特に中小企業や地方の企業のなかにはこうした状況を深刻にとらえていないところも多い。それで面接でもかつてと同じ感覚で応募者に対するため、採用に結びつかなかったり、採用できても定着しなかったりしている」(奥原さん)のだとか。

 東京商工会議所のまとめによると、中堅・中小企業で2007年4月の採用数が前年より「下回った」企業は前年比5.6ポイント増の36.3%もあった。

 このDVDの販売目標は、来春卒業する学生の採用活動がほぼ終わる5月までに500枚。今月16日に発売したばかりだが問い合わせが多く、今月中に200枚近く売れそうだという。 

ZAKZAK 2007/03/26

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007032614.html