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2007年03月26日(月) 00時00分

北の海で波乗り人気朝日新聞

■スーツ性能進歩/スノーボードから転向も

 極寒の北の海で、サーフィンを楽しむ人が増えている。「ウエットスーツ」や「ドライスーツ」の性能が進歩。サーファーは雪が舞う冬にでも波に乗る。雪の上を滑走するスノーボードの愛好者が始めるケースも見られる。

 函館から稚内まで各地の海岸で、サーファーの姿が波間に浮かぶ。札幌市西区のスポーツ店の店長柴田裕司さん(36)は「年間のサーフボードの売り上げは100本ぐらい。10年前の5倍以上です」と、人気の拡大に驚く。

■連盟立ち上げ

 スノーボードを巧みに操りゲレンデを滑り降りるのと、不安定な波の上は勝手が違う。初心者は購入した店舗が主催するスクールで基礎を学ぶことが多いという。愛好者の増加を受けて、店舗の関係者らが00年、北海道サーフィン連盟を立ち上げた。競技会や海岸清掃などの活動を通じてサーフィンの普及をめざす。会員は約300人にのぼる。

 同連盟統括理事で消防士の多和康博さん(39)=千歳市=によると、道央圏で人気の海岸は、胆振支庁厚真町の浜厚真。夏の休日には数百台の車が並び、サーファーで込み合う。冬でも波の状態が良ければ、50人前後の人が集まる。海水温は2〜3度になるという。

 多和さんは「肌に冷たい海水が染みないドライスーツを着込んでも顔は出ている。沖に向かって泳ぎ、波をかぶると気絶するような冷たさ。でも波に乗った瞬間の気持ち良さは格別」と真冬でも海に入る。

■10代育成課題

 同連盟の目標のひとつが、「北海道のプロサーファーの誕生」。本州では10代の若者がボードを抱え、自転車に乗って海岸に乗り付けることがある。

 しかし、道内では沿岸部の人口が比較的少なく、サーファーは自動車で長距離の移動をしてやって来る例が多い。中学生や高校生には縁遠いスポーツになっているという。多和さんたちは「10代の選手育成が課題」といい、底辺拡大に知恵を絞っている。

http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000703260009