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2007年03月26日(月) 00時00分

入門30年、大ネタで勝負 桂都丸、全国30回の独演会朝日新聞

 落語の桂都丸(とまる)(52)が入門30年を記念して4月の京都を皮切りに、岩手から沖縄まで30回の独演会を開いて回る。「らくだ」や「百年目」といった大ネタを引っさげての公演で、「自分の代表作にしたい演目を問うことで、今後の歩みに向けて大きな収穫を得たい」と抱負を語っている。

入門30年を迎えた桂都丸

 都丸は77年、米朝門下のざこばに入門。8歳しか違わない筆頭弟子だけに、入門当初は「師匠」と呼ぶことを禁じられた。兄弟のような師弟関係で、15年目からは「もう弟子やない」と認められた。

 25周年では、25日間連続で計50席を高座にかけた。今回は上方屈指の大ネタを軸に、勝負をかける。選んだ演目はまず、「らくだ」。酒の噺(はなし)を極めようと10年目から手がけており、押し出しよい都丸のキャラクターにも合った落語だ。

 「百年目」はやり手の番頭と、一回り器量の大きい旦那(だんな)との人情味あふれる噺。米朝の語り口にあこがれていたが、番頭はともかく、品が良く懐深い旦那は演じられないと敬遠していた。3年前に米朝に稽古(けいこ)をつけてもらい、番頭=ざこば、旦那=米朝に重ね合わせて取り組んでいる。「培ってきた人間性そのものが出てしまう噺」と話す。

 30公演の大半は、これまで各地を回って広げたファンに請われる形で実現。ざこばに報告すると「ほーん」とだけ。都丸は「師匠はそういいながら、ゲストで高座に出ると泣いてしまうんやないかな」。

 記念公演のスタートは4月14日午後6時半、京都府立文化芸術会館。「百年目」「首提灯(ぢょうちん)」「桂三枝作・宿題」。2800円。11月29〜12月1日は大阪・天満天神繁昌亭で開き、来年2月の京都・南座で締めくくる。問い合わせは米朝事務所(06・6365・8281)へ。

http://www.asahi.com/culture/stage/rakugo/OSK200703260095.html