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2007年03月26日(月) 00時00分

「政治の場 女性もっと」議員ら訴え朝日新聞

 女性議員をもっと増やして、女性の考えや意見を取り入れた政策を実現していこうと、現職の女性議員らが県内各地を奔走している。現在、県議会の女性議員は定員63人中わずか3人。議員らは「女性でなければ実感できない問題はたくさんある。もっと政治の場に女性を」と訴える。(島津洋一郎)

 「町内の女性議員が1人から2人、4人と増えるに連れて確実に町が変わっていった」

 仙台市の中心部で18日、柴田町議会副議長の加茂紀代子さん(68)は女性議員の重要性を訴えた。女性ばかりの街頭演説会には、現職の女性議員に加え、選挙権を得たばかりの女子学生2人も参加した。

 障害者のためのボランティア活動などをしていた加茂さんは93年、「女性の意見を訴える場所がないのでその役目を担ってほしい」との周囲の勧めで町議選に立候補、初当選した。

 当選後、町に女性政策係が新設され、学校のクラス名簿が男女混合制になるなど、少しずつ変わり始めた。女性議員の誕生で行政が変わる——。そう確信した加茂さんは今回の統一選で、県内各地の女性議員と連携。党派を超えて女性立候補予定者の応援に出かける。

 県議会の女性議員の数は、昨年末に青野登喜子議員が死去したため現在3人。県内の全市町村議の定員は800人を超えるが、県市町村課によると女性の市町村議は06年4月1日現在で67人にとどまる。

 この日の街頭演説には、現在女性議員の事務所でインターンをしている東北大2年の井口綾野さん(20)も参加した。「女性の声を反映させるため、もっと(女性議員を)増やさないといけない」と呼びかけた。同大1年の伊藤愛さん(20)も「県庁内に保育所ができたのも女性の希望が反映された結果だと思う」と訴えた。

 呼びかけ人の1人、遊佐美由紀県議(43)は「産科医不足など、生活に密着していることに関しても男性ではなかなか実感が持てないことが多い。せめて各選挙区に1人は女性議員がいるようにしていきたい」と語る。

http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000000703260001