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2007年03月26日(月) 00時00分

落下・転倒、けが12人朝日新聞

能登沖地震で震度5弱 1930年以来

 日曜の朝、細かい縦揺れの直後に大きな横揺れが起きた。能登半島沖を震源とする地震で、県内では最大震度5弱を観測した。県内で震度5を記録したのは、約77年前の1930年の石川県西方沖を震源とする地震以来。けがをした人は、25日夜までの県のまとめで計12人。倒壊はなかったものの建物の被害も相次ぎ、緊急停止したエレベーターでの閉じ込めも起きた。港湾部では液状化現象とみられる土砂の噴出も確認された。

建物被害も相次ぐ
 港湾部では土砂噴出

 県消防・危機管理課の午後8時現在のまとめでは、県内の地震によるけが人は12人。

 富山市八尾町では女性(28)が自宅前で転倒し、手首を骨折した。

 高岡市五福町では女性(81)が自宅の棚から落ちてきた物にぶつかりけがを負った。このほか高岡市消防本部のまとめでは、男児(7)が自宅の階段から落ち顔を打撲、男性(24)が工事現場で作業中に転落して肩を脱臼するなど、計4人がけがを負った。

 射水市三ケでは午前9時45分ごろ、就寝中の女性(92)が上から落ちてきた木箱で右手首を打撲。同市小島では午前9時56分ごろ、中国人男性(26)が自宅のある寮の2階で、窓ガラスで右手を切った。

 また、落ちてきたスピーカーで額を切った30代男性と、天ぷら油でやけどを負った20代男性が魚津市の病院に運ばれた。

 小矢部市泉町では午前9時42分ごろ、バイクで走行中の男性(70)が地震のため停止したところ、再び揺れがきて転倒、左腰を打撲した。

 氷見市でも女性(26)が自宅前で転倒しけがを負った。

 県西部を中心に、建物の窓ガラス損壊や水道管の破裂、旅館のエレベーターの故障などが相次いだ。

 氷見市内では地震発生直後に一部で停電し、国道160号などの信号機が消えたが、間もなく復旧した。市災害対策本部によると、市内の旅館で客ら5人が2基のエレベーター内に1時間近く、閉じこめられた。フロントは「午前中だけでキャンセルが100件相次いでいる」と話す。

 氷見漁港では敷地内の舗装道路中央に走った長さ10メートル、幅1センチほどの亀裂から、灰黒色の砂交じりの水が噴き出し、砂が5平方メートルほどの広さにたまった。県は強い揺れによる液状化現象とみている。

 有磯高体育館では、春の全国中学生ハンドボール選手権大会の試合中に天井の電灯が3個落下。このため同高での試合はすべて会場を変更した。

 高岡市太田のホテルのエレベーターで1人が閉じこめられ、付近を巡回中の市消防隊員が1時間近く後に救出した。また、同市伏木の伏木外港万葉埠頭(ふ・とう)でも液状化とみられる現象があり、空き地の数カ所から砂交じりの水が噴出、砂が直径1メートル前後の広さに積もった。

 小矢部市城山町の市民体育館では、天井の照明カバー26個(縦横約40センチ)が10メートルほど下に落下した。館内には清掃作業中の男性(71)がいたが、けがはなかった。男性によると激しい横揺れの後、「ドンドン」という大きな音とともに照明カバーが次々と落ちていったという。

 日曜日は普段、スポーツ少年団などが利用していることが多いが、この日は予定が入っていなかった。施設関係者は「もし普段通りに利用されていたらと思うとぞっとする」と話していた。

 

http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000703260004