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2007年03月26日(月) 00時00分

嶺北中心に震度4朝日新聞

能登沖地震

 石川県能登半島沖を震源とする25日の強い地震で、県内は福井市、あわら市など嶺北を中心に震度4を記録した。県は緊急の部局長連絡会議を開くなどして情報を収集。各市町も職員が次々に登庁したが、同日夕現在、人的、物的被害は確認されていない。県は、被災地の石川県へ緊急消防援助隊を派遣した。交通機関は、JRが北陸線などで運行を一時見合わせるなどダイヤが大幅に乱れた。15基ある原発に異常はなかった。

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 県では地震直後に、選挙中の西川一誠知事が活動を中断し県庁に入るなど幹部が次々に登庁。震度4以上を観測したことから県地域防災計画に基づき、危機対策・防災課など関係課の全職員も登庁した。午前9時50分に県内の全市町、消防にファクスで状況を問い合わせ、その後、被害がないことを確認した。午前10時20分にもファクスで沿岸部の市町は津波に注意するよう通知した。

 午前11時から県庁10階の災害対策本部室で「能登地方を震源とする地震に関する連絡会議」を開催。西川知事や副知事、各部局長ら約30人が出席。各部長や担当者から県内の交通状況や原発の安全には異常がないことなどが報告された。西川知事は「常時連絡を取り合って交通渋滞の見通しを広報するように」「がけ崩れを特に警戒するように」などと指示した。

 また、県は午前10時45分に消防庁からの派遣要請を受け、県内の9消防本部で組織する緊急消防援助隊(14隊、59人)を編成。正午ごろ、坂井市の北陸自動車道丸岡インターに、福井市消防局の災害支援車のほか救急車、救助工作車など計7台が集結し、石川県に出発した。県は防災航空隊(1隊、5人)と県立病院から医療チーム(4人)を派遣。福井大学医学部附属病院も医療チーム(7人)を派遣した。

 福井市では午前9時42分、市危機管理計画に基づき、庁舎内に危機情報センターを設置。主任以上の職員を各職場に待機させる第1号配備の態勢を敷き、同10時ごろに携帯電話の一斉メールで対象職員に連絡した。
 同11時、午後0時半には各部署の調整参事ら約30人によるセンター会議を開催。火災やライフライン、市管理施設などの状況が報告された。市内で特別な被害はなく同センターは同0時40分に解散した。

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 県内に15基ある原発のうち10基は運転中だったが、すべての原発で施設や機器の損壊、揺れによる緊急停止などのトラブルはなかった。
 関西電力原子力事業本部(美浜町)は県内11基のうち、定期検査中の美浜原発1号機(同町)と大飯原発1号機(おおい町)の2基と、その他の運転中の美浜、大飯、高浜発電所の計9基を巡回点検。中央制御室の計器などにも異常は見られなかったという。

 日本原子力発電は運転中の敦賀原発2号機と、定期検査中の同1号機で緊急パトロールをしたが異常はなかった。日本原子力研究開発機構も、高速増殖原型炉「もんじゅ」と新型転換炉「ふげん」(いずれも敦賀市)で異常がないことを確認したという。

■各地の震度

 県危機対策・防災課によると、午前9時42分に観測された県内各地の震度は次の通り。
 【震度4】福井市、永平寺町上志比、坂井市三国町、同市春江町、同市坂井町、あわら市、越前町朝日、同町宮崎
 【震度3】敦賀市、小浜市、大野市大野、大野市和泉、勝山市、福井市美山、永平寺町松岡、同町永平寺、坂井市丸岡町、越前市今立、池田町、おおい町大飯
 【震度2】鯖江市、南越前町南条、同町今庄、同町河野、越前町越前、おおい町名田庄

http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000000703260004