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2007年03月26日(月) 00時00分

2候補、日曜市で握手合戦朝日新聞

 知事選の告示後、初めての日曜日となった25日、新顔の山本千代子氏(58)=共産=と、自民、公明推薦の現職、飯泉嘉門氏(46)=無所属=の2候補は、ともに朝一番で農産物などを直売する徳島市問屋町の「びっくり日曜市」を訪れた。午前中だけで約2万人が集まる場所で、多くの有権者にアピールできる絶好のチャンス。2人とも、買い物客らに声をかけ、握手の手を差し出した。

(志村英司、加藤順子)

 ■山本 千代子氏

 山本氏は午前10時、朝市近くの道路に選挙カーを止め、マイクで演説を始めた。「お買い物中のみなさん、生活が苦しいという声をたくさん聞きます。無駄と利権を排して、あたたかい福祉の心を県政に取り戻しましょう」

 その後、野菜や果物などを売る約300店が集まった市場の中を、30分近く歩いた。「がんばって」「しっかりやってよ」などと声が飛ぶと、笑顔で握手に応じた。山本氏は「お年寄りを中心に期待の声が多い。反応はよかったので、今後もしっかり訴えていきたい」と話した。

 街頭スケジュールの担当者は「朝市は売りに来る人も含めると、全県から人が集まる。日曜日に顔を売るには絶好の場所。多くの人に会えたので成功です」と手応えを感じていた。

 ■飯泉 嘉門氏

 飯泉氏は、朝一番の客を狙って、普段よりスタートを1時間早め、午前7時には朝市の会場に到着した。

 約1時間、場内を歩き、笑顔を振りまきながら、山菜を売る農家の人に「今が旬ですか」とたずねたり、買い物客の飼い犬をなでたりした。青いジャンパーのスタッフは、マニフェストを紹介するビラを配った。

 その後、会場の出口でマイクを持った飯泉氏は「徳島ならではの産物を全国に広めていきたい。高知の朝市より有名にしたい。みなさんにも歩く広告塔になっていただきたい」と訴えた。

 告示後は「まず全県下にあいさつ」と、西部や南部の端まで回った。陣営は「日曜日は、人が集まる朝市で勢いを付け、一日、徳島の住宅地をくまなく回ります」と意気込んだ。

 ■「お願いばかり商売のじゃま」

 両陣営の熱気に対し、足を止めて演説に耳を傾ける買い物客は少なく、反応は高くなかった。シイタケを売っていた神山町の女性(42)は「選挙のたびにいろんな人が来るけれど、お願いばかりでうるさくて、商売のじゃまと感じることもある」と手厳しい。

 小松島市の女性(72)も「お願いされて、投票する時代ではない。当選したら、知らんぷりという人も多い。財政も厳しいので、今回は政策をしっかり見ます」と慎重だった。

http://mytown.asahi.com/tokushima/news.php?k_id=37000000703260003