友人らと落語グループの打ち合わせをする山田冨士雄さん(右)=24日、大阪府吹田市で
山田さんは関西大学に在学中、落語研究会「落語大学」の研究学部に所属。機関誌「いっせき」の編集に携わり、江戸と上方の落語の違いなどについて研究していた。
事故の1年後、追悼慰霊式であいさつし、「前向きに生きる」と誓った。そのころになると、仕事が忙しくなり、家事にも慣れ、生活のリズムが戻ってきた。ただ、博子さんと毎月、一緒にカラオケに行って歌った時のような楽しみは奪われたままだった。
そんな山田さんを励まそうと、同級生の加藤利美さん(58)が昨年12月、グループの結成を持ち掛けた。山田さんは「学生時代に戻って純粋に楽しめる」と代表就任を引き受けた。メンバーは30〜50代のOB約10人。名前は機関誌にちなんで「グループ・いっせき」にした。
初公演は堺市堺区の市総合福祉会館で開く。メンバーが落語を3題演じ、山田さんは最後の演題の前に、噺(はなし)に出てくる言葉の意味や時代背景を解説する。「自分から元気を取ってしまったら、良いところがなくなってしまう。もう一度、夢を追って元気を出したい」と話している。問い合わせは加藤さん(072・258・3751)へ。
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