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2007年03月25日(日) 03時03分

<光熱水費>高額支出者の大半「議員会館以外で支出」毎日新聞

 資金管理団体の「主たる事務所」を電気や水道代のかからない議員会館に置き、05年に100万円以上の光熱水費を計上した国会議員が少なくとも8人おり、松岡利勝農相、中井洽(ひろし)元法相らを除く5人が「ほとんどの費用は、地元など議員会館以外で支出した」と毎日新聞の取材に答えた。200万円以上を計上したのは松岡農相と中井元法相だけ。中井元法相は虚偽記載を認めており、不明朗な支出をしながら説明を拒む松岡農相の疑惑が一層浮かび上がった形だ。
 100万円以上の光熱水費を計上した8人のうち、亀井静香元建設相や関谷勝嗣元建設相ら4人は取材に対し、議員会館以外の東京の事務所や地元事務所での電気代などに充てたと説明。関谷氏の公設秘書は「議員会館ではまったくかかりませんね」と断言する。
 園田博之衆院議員の秘書は、議員会館でミネラルウオーターや加湿器など別の費目にあたる経費に支出した部分もあると説明したが「合わせて年20万円未満で、ほかの大半は地元事務所で電気代などに支出した」と話す。
 一方、中井元法相と松岡農相の資金管理団体の事務所は衆院第1議員会館だけだ。光熱水費に286万円を計上した中井元法相は「議員連盟の勉強会費や、公用車使用料など」に付け替え、実際はゼロだったと説明している。もっとも多い507万円を計上した松岡農相はいったん「ナントカ還元水や暖房」などと最初にこの問題を尋ねられた今月5日の参院予算委員会で説明しかけた。しかし、その後は「法令に従って適切に報告している」などと参院予算委や記者会見で一貫して内訳の説明せず、20日の記者会見では「(報告が間違っている可能性は)ないものと(事務所を)信頼している」と述べている。
 林芳正・副内閣府相の事務所は「法令に従って適正に処理している。内容は収支報告書の通り。記載以上の詳細については回答していない」と松岡農相と同様の答えをした。野党関係者らは「安倍晋三首相が農相をかばっている以上、内閣の一員として、あえて農相と歩調を合わせたのではないか」と解説する。
 政治資金規正法施行規則によると、光熱水費は「電気、ガス、水道の使用料及びこれらの計器使用料等をいう」とある。収支報告書には総額を計上すればよく、領収書の添付は求められていない。ただ、規正法は「政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑念を招くことのないように公明正大に行わなければならない」と定め、添付義務がない領収書も3年間の保管義務は定めている。【青島顕】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070325-00000003-mai-soci