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2007年03月25日(日) 08時09分

ネパール帰化の元日本人、国政に挑戦へ朝日新聞

 ネパールで6月に予定されている制憲議会選挙に、長野県出身でネパールの国籍を取得した宮原巍(たかし)さん(73)が新党「ネパール国家開発党」を結成して立候補することを決めた。30年以上ネパールでホテルを経営してきた経験から、観光振興などを軸にした経済施策を訴えていくという。

 日大山岳部出身の宮原さんは62年、ヒマラヤ登山で初めてネパールを訪れた。自然に魅せられ、72年にエベレストの登山コースにある標高約3880メートルにホテル「エベレスト・ビュー」をオープン。「世界最高峰のホテル」と話題になった。

 長く住み続けるうち、権力闘争に明け暮れ、腐敗した政治への不満が募ったという。自ら国政に参加することを考え始め、05年6月に国籍を取得。400以上の議席を小選挙区と比例区で選ぶ制憲議会選挙に、比例区から出る予定だ。

 観光開発策のほか、鉄道網の整備、自然保護区の設定、初等教育の浸透などをうたったマニフェストもまとめ、冊子1万部を用意した。ネパールでは、政党がマニフェストを出す例はほとんどないという。

http://www.asahi.com/international/update/0325/003.html