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2007年03月25日(日) 00時00分

六ケ所や東通突出 町村議会議員定数朝日新聞

町村議会議員定数 人口比で見ると

村の予算潤す 原発・核燃施設

 4月22日に投開票される県内15の町村議選挙。人口比を考慮しながら議員定数を比べてみると、深浦町と六ケ所村と東通村の定数がずば抜けて多い。このうち深浦には定数削減の動きがあるが、2村は今のところ、現状を維持する構えだ。2村の特徴は、原子力関係施設があって財政的に恵まれていることだ。(小宮山亮磨)

深浦も群抜く 財政難で削減論議

 4月の選挙時の議員定数と、人口(2月末現在)の関係をみると、六ケ所、東通、深浦の3町村が突出し、地方自治法で定められた定数の上限に近かった=グラフ参照。3町村を除いた12町村は、ほぼ一直線上に並び、人口に対し、同じような割合で議員を出していることがうかがえる。

 人口約1万2千人の六ケ所村は、この直線上にあれば定数12程度になるはずだが、実際の定数は20。議員1人あたりの報酬は月額25万2千円で、期末手当を含めれば、20人に対して総額年間8千万円超を支払っている。

 村議会事務局は「議員たちも定数が多いという意識はあるようだが、削減が議題になったことはない」という。今回の15町村議選で、定数をこれまでより減らさなかったのは六ケ所村だけだ。

 村には例年、巨額の「核燃マネー」が流れ込む。04年度には、128億円の一般会計当初予算のうち、75億円を固定資産税収入が占めた。大半は、同村に核燃施設を持つ日本原燃からの収入とみられる。事務局は「財政の余裕がなければ、(定数の多さを)村民も許さないと思う」と話す。

 東通村(人口約8千人)の議員定数は16。今回の選挙で18から2減らしたが、人口が同規模の他の自治体では、定数は10程度だ。議員報酬は月額23万円。

 同村の財政事情は、東北電力の東通原発1号機の影響で一変した。地方税収入は、05年度は12億円だったが、06年度には54億円となった。村議会事務局は「議員が多ければ民意を反映しやすい。最適な定数は、各自治体の状況によると思う」としている。

 一方、財政の厳しい深浦町(人口約1万1千人)は、定数20。これまでの26より減ってはいるが、人口が同規模の他自治体なら10〜11程度だ。議員報酬は月額21万8千円。

 町は07年度、3年連続で赤字予算を組んだ。村の「貯金」にあたる基金残高は合わせて約3億円なのに対し、「借金」の地方債残高は152億円もある。

 町議会は非公式の場では定数減について話し合っていたが、まとまらず議案提案には至らなかったという。町関係者は「選挙後には当然、議論されるはずだ」とみている。

http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000000703250008