記事登録
2007年03月25日(日) 19時11分

EU憲法、09年解決を 首脳会議で宣言へ朝日新聞

 欧州連合(EU)は25日、ベルリンで特別首脳会議を開き、懸案のEU憲法問題を09年までに解決する方針を発表した。欧州統合の基礎になったローマ条約調印50年を記念する「ベルリン宣言」に盛り込んだ。ただ、EU憲法に消極的な意見が依然として強いことも浮き彫りになり、期限内に憲法問題を打開できるかは不透明だ。

 今回の首脳会議は、EUの前身の欧州経済共同体(EEC)設立を決めたローマ条約調印を祝い、半世紀に及ぶ欧州統合の価値を強調することがねらい。憲法問題は今後のEU像を左右するため、「ベルリン宣言」にどう盛り込むかが焦点だった。

 「宣言」では「09年の欧州議会選までに、EUとして新たな共通の基礎を定める目標を共有する」との表現で、問題解決への意思を打ち出した。だがチェコなどはEU憲法そのものに消極的で、「宣言」で憲法に言及することに反対する姿勢を崩さなかった。このため「憲法」に代えて「新たな共通の基礎」という言葉を用いるなど、表現を大幅にやわらげた。

 27カ国に拡大したEUの基本法になるEU憲法条約は、フランスとオランダが05年に国民投票で批准を否決して以来、制定に向けた作業が暗礁に乗り上げている。

 このほか「宣言」は、欧州統合の成果として平和や自由に加え、単一通貨ユーロの導入を挙げた。「我々、欧州市民はより良いものをめざして結びついた」として、欧州統合の意義を強調した。

http://www.asahi.com/international/update/0325/008.html