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2007年03月24日(土) 06時18分

対イラン貿易保険、支払い猶予を短縮 核問題で厳しく朝日新聞

 日本企業によるイラン向けの輸出入時のリスクをカバーする貿易保険の引き受け基準が厳しくなった。大型プラントや機械輸出などが困難になる。イランにとっては経済的な打撃になり、日本のイラン関連ビジネスも縮小を余儀なくされそうだ。

 貿易保険の保険料には、国別のリスクが反映される。独立行政法人・日本貿易保険が8日に顧客向けに出した通知によると、貿易保険の引き受け条件で支払い猶予期間(ユーザンス)を12カ月から6カ月に変更した。

 イランの核問題が国連安保理に付託され、その後、緊張が高まった昨年4月には貿易保険の引受枠を30億円から10億円に引き下げた。米国が経済制裁で取引を停止したことに伴い、イラン国営のサデラト、セパ両銀行が発行する支払い確約のための米ドル建て信用状(L/C)も、引き受け対象外となった。

 日本の貿易関係者によると、引受枠が10億円になり、さらに支払い猶予期間が6カ月に短縮されると、技術者の派遣を伴うような新規の大型案件を進めることは実質的に困難となるという。

 石油化学分野などの大型プラント建設などが困難となれば、雇用の拡大が進まず、イランのアフマディネジャド大統領にとっては打撃となる。

http://www.asahi.com/business/update/0324/005.html