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2007年03月24日(土) 12時19分

夏時間で病死、自殺増える、と市民団体 ロシアで論争朝日新聞

 25日から夏時間に移るロシアで、夏時間の是非をめぐる論議が盛んになっている。

 ガゼータ紙によると、きっかけは4年前に下院で夏時間を廃止する法案が審議されたことだ。法案を後押しし、今も廃止を求めるサンクトペテルブルクの市民団体などの論拠は夏時間を導入しても電力消費は0.5%しか減らず、心臓病による死が75%、自殺が60%、事故死が20%も増えているというものだ。

 数字にどれだけ科学的根拠があるか明らかでないが、モスクワ精神医学研究所のアレクサンドル・ネムツォフ博士は「ロシアの長い冬の後で人間の器官が弱っている今、特に病気を抱える人には1時間でも時間がずれる影響は大きい」と指摘。アルコール中毒や自殺で男性の平均寿命が極めて短い国柄だけに「時間のずれへの対応でさらにストレスを増やすべきでない」とも警告する。

 同紙によると、ロシアで夏時間はソ連時代の81年に導入された。25日から日本との時差はマイナス5時間になり、10月28日に同6時間に戻る。

http://www.asahi.com/international/update/0324/008.html