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2007年03月24日(土) 19時06分

<志賀原発臨界事故>記録つなぎ合わせ巧妙に工作 原本紛失毎日新聞

 北陸電力志賀原発1号機で臨界事故があった時間帯の原子炉運転状況などを記録したデータ原本が失われていた問題で、重大事態が印字された部分が切り取られた後に、問題のない前後の記録紙がつなぎ合わされていたことが複数の関係者の証言で分かった。一見しただけでは分からないように巧妙に“工作”されていたことになる。
 データは制御棒の動きや緊急停止信号の状況を秒刻みでモニター用紙に記録、中央制御室でチェックしている。だが、99年6月18日未明に起きた臨界事故では、データの原本が、原子炉が制御不能になった15分間を中心に部分的に失われていた。記録は法的な保存義務はないが、社内では10年の保存を規定している。
 記録紙には、細かい数字とアルファベットがすき間なく印字されていく。用紙がいっぱいになると、折りたたまれて次の紙に移る。問題の時間帯については、折り目部分から切り取られていたという。
 ある関係者は「疑惑の目でじっくり見れば分かるが、ぱっと見ただけでは分からない」と証言している。当日は午前10時ごろ、同原発近くに常駐している国の原子力安全・保安院の検査官が定時検査をしたが見抜けなかったという。【近藤大介、泉谷由梨子】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070324-00000065-mai-soci