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2007年03月24日(土) 00時00分

ドンキ連続放火、判決要旨朝日新聞

ドン・キホーテ連続放火事件の判決要旨は次の通り。

 ■事実の概要(略)

 ■事実認定の補足説明
 浦和花月店の出火前後、複数の客や従業員が店内で見た特徴的な人物は被告である。被告は、警察署で同房の女性2人に、放火を認める発言をした。また、7件の放火や同未遂について、逮捕、勾留(こうりゅう)中の05年3月25日ごろから自白を始め、調書が作られた。捜査段階の自白調書は任意性に疑いはなく信用できる。 

 ■被告の責任能力
 犯行動機は十分了解可能で合理的な思考に基づき行動している。多量の薬剤を服用していたが、意識障害などはない。認知機能の低下も、著しく責任能力が低下するほどではない。

 ■量刑の理由

 元交際相手と会えないうっぷんを放火で晴らそうとし、火事騒ぎに乗じて商品を盗もうとした。短絡的で身勝手極まりない動機に酌量の余地は全くない。営業時間中で多数の客や従業員がいる大型量販店に火を放ったもので、危険かつ悪質。店内の商品を盗むのも危険性の上に利欲を満たそうとする悪質な犯行だ。被告は4店舗に放火し、浦和花月店で3人の命が奪われたことを知りながら、15日にも3店舗で放火に及んだ。自らの犯行を悔悟する感情が失われていたと言わざるを得ない。3人の尊い命が失われた結果はあまりに重大だ。

 確かに、浦和花月店の陳列方法は、圧縮陳列、熱帯雨林と呼ばれ、ひとたび火が放たれれば、早期に拡大するおそれのある特殊なものだった。防火設備にも不備があり、従業員は結果として、十分な消火活動ができなかった。しかし、同店の防災態勢の不備が大火災に至る一因となったものの、被告の責任を軽減するものではない。

 被告に酌むべき事情を十分考慮しても、身勝手な動機から大型量販店への放火に及び、死者が発生した後も同様の放火を繰り返しており、被告に対しては無期懲役をもって臨むほかない。

■判決が認定した渡辺被告関与の事件■
04年11月18日4:30 ドンキ大宮大和田店  窃盗、建造物侵入・損壊
  12月13日18:40 北浦和サティ     現住建造物等放火未遂
      19:10 北浦和サティ     現住建造物等放火未遂
      20:15 ドンキ浦和花月店   現住建造物等放火、窃盗
      22:35 ドンキ大宮大和田店  現住建造物等放火未遂
  12月15日15:05 ドンキ大宮大和田店  現住建造物等放火未遂、窃盗
      17:40 イトーヨーカ堂大宮店 現住建造物等放火未遂、窃盗
      18:50 北浦和サティ     現住建造物等放火未遂

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