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2007年03月24日(土) 08時01分

近未来通信社長ら立件へ 3000人400億円詐取容疑産経新聞

 IP電話事業を名目にした「近未来通信」の詐欺事件で、警視庁捜査2課は23日、同社の石井優社長(50)ら関係者を詐欺容疑で立件する方針を固めた。配当する能力も意思もないのに全国3000人から総額約400億円を詐取したとされる。捜査2課は関係先を家宅捜索して全国約90カ所に設置されたサーバー約1300台を押収。ソフトウエアが組み込まれて稼働する状態だったのは約20台で、価格も1台約30万円程度だった。「数年後には投資金を回収できるほど利益がある」と1台約1100万円で販売した“近未来商法”は詐欺の疑いが強いと判断した。

 石井社長は国外にいるとされ、逮捕状を取り、国際手配する方針。他の役員も立件する。

 石井社長らは投資家に「IP電話の中継局オーナーになれば毎月配当が得られる」などと偽り、出資金をだまし取った疑いが持たれている。

 押収されたサーバーのほとんどは電源を入れても稼働しない見せかけだけのもので、1台約30万〜8万円程度。通信回線にもつながっていないケースが大半だった。同社は設置を請け負った業者に、サーバー本体にケーブルだけを接続するよう指示したとされる。

 総務省の調べでは、同社の17年7月期の売上高約181億円のうち、通信料収入は約3億円にすぎず、サーバーを購入した投資家への配当はほとんど新規加入者からの出資金でまかなう自転車操業の状態だった。

 関係者によると、投資家から集めた約3億円を、目的外の有価証券投資に使っていた。2億5000万円を石井社長名義で、5000万円を同社経理部長名義で17年11月、投資ファンドに運用を依頼。同社への捜索(昨年12月4日)直前に運用を解約し、自分名義の約2億5000万円を持ち出し、羽田空港から出国した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070324-00000019-san-soci