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2007年03月24日(土) 00時00分

「あるある」不適切放送は納豆以外に15回朝日新聞

 関西テレビ(フジテレビ系)の情報番組「発掘!あるある大事典2」のねつ造問題で、社外調査委員会は23日、約2カ月の調査を終え、納豆以外にも計15回の「不適切な放送」があったことを明らかにした。そのうちねつ造、改ざんが認められたのは7回。減量効果で話題になった寒天を扱った「寒天で本当にヤセるのか!?」(05年6月12日)も含まれていた。

 報告書は154ページにわたり、元検事で弁護士の熊崎勝彦委員長は「調査は5000時間を超え、正直疲れた」と本音を漏らした。ねつ造への経緯を「担当ディレクターが偶発的に引き起こした問題ではない。視聴者の批判や、放送を疑問視する本が多数出ているのに、制作担当者は批判を認識さえしておらず、甘さがあった」と指摘した。

 小委員会を含む調査スタッフ30人以上は、制作現場の現実も浮き彫りにした。熊崎委員長は「番組づくりを制作会社に丸投げし、下請けは孫請けに回す。局は目配りをしない。放送人としての職業意識の欠如。相手を信用するのは、人間関係においては大事だが、職業の場では通用しない」と厳しい言葉を続けた。

 ねつ造の背景の1つに番組を取り巻く制作環境にも触れた。同局東京支社制作部のプロデューサー、ディレクター13人はレギュラー6本に加え、特番も制作しており番組監視の目が緩む可能性は高い。また、調査委は「演出とねつ造や改ざんを厳密に分ける指標が存在しない」とも指摘した。

 この日、報告書は同局千草宗一郎社長に渡された。進退を問われると「今は再発防止に努めたい」と話すにとどまった。


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