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2007年03月24日(土) 00時00分

福井駅西口再開発を白紙に朝日新聞

 福井市の坂川優市長は23日、再開発ビルを駅前広場と一体的に整備するJR福井駅西口中央地区再開発計画を白紙に戻すと発表した。全地権者26人のうち1人から計画について同意が得られず、最大地権者のJR西日本が土地売却の条件として示していた今年度中の都市計画決定を断念した。再開発構想は大幅な修正の可能性が出てきた。

 同時に予定していた駅前広場の拡大も困難となることから、広場内への延伸を想定していたえちぜん鉄道のLRT化構想も見直しが迫られる。

 再開発計画では、駅西口の約5600平方メートルに商業・公共施設や都市型ホテルなどが入る再開発ビルを建設。駅前広場は当初計画の9千平方メートルから1万1500平方メートルへと拡大し整備する。

 会見した坂川市長は「残る1人の協力を得るため代替地の提案など努力を続けたが、歩み寄っていただくことがかなわないことがはっきりした」と述べ、同日の市都市計画審議会への計画提案の断念を発表。14日までの縦覧期間中、同意が得られていない地権者から都市計画決定に反対する意見書が出されたことを明らかにした。

 来年度着工予定の駅前広場については、事業をこれ以上遅らせることはできないとし、当初計画の面積9千平方メートルで着手する方針という。

 今後について、坂川市長は「(再開発ビルは)新たなまちづくりの中核的施設で極めて重要なプロジェクト。今後の方針は県や経済界、同意している地権者らと協議し練り直していきたい」と述べた。約3100平方メートルを所有するJR西に対しては、現状を報告した上で、さらに土地買収について協議できるよう努力していく考えを示した。

http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000000703240004