■あすフェス出場「元気届けたい」
「統合計画進む大月の小学校」
大月市の山あいにある小規模校、市立浅利小学校（同市賑岡町浅利）の児童５人がバンドを結成した。過疎化で児童数が減少し、他校への統合計画が進められているだけに、「少しでもみんなが元気になれば」と、２５日に開かれる大月バンドフェスタでのデビューを目指して練習に励んでいる。同フェスタは今回で１２回目だが、小学生バンドの参加は初めてだ。（下田研一）
りんぺい＝ギター、５年生、山口琳平君（１１）▽ゆみか＝ピアノ、５年生、白鳥優美香さん（１１）▽ゆきの＝タンバリン、３年生、白鳥由葵乃さん（９）▽しんら＝ドラム、４年生、山口森羅君（１０）▽みほ＝キーボード、４年生、山口美穂さん（１０）
りんぺいと、しんらは兄弟、ゆみかと、ゆきのは姉妹だ。
バンド名は「ＨＵＲＲＩＣＡＮＥ（ハリケーン） ＫＩＤＳ（キッズ）」。リーダーは、りんぺいが務める。
きっかけは、りんぺいだった。去年の正月、親の反対を押し切って、もらったお年玉で中古のギターを買った。動機は、テレビで見る「ギター侍」をやってみたかったからという。でも、ギターは全くの初心者だった。
そこで指導をお願いしたのが、ゆみかのおじで、地元に住む大月市森林組合職員の河野剛さん（３７）だった。河野さんはアマチュアバンドでギターを担当するとともに、大月バンドフェスタの運営に携わっている。
みんなは河野さんのことを「師匠」と呼ぶ。「『師匠』みたいになりたかった」とりんぺい。
去年２月には、ゆみかと２人で「浅利＆シジミ」を結成し、学校の催しでギター演奏を披露した。
「バンドを結成してバンドフェスタに出よう」。河野さんの呼びかけで他のメンバーが集まった。今年初めから毎週木曜日の夜に地区の公民館に集まって１時間半ほど練習をしている。
演奏を予定しているのは「乾杯」「翼をください」など３曲。難しいと思うときもあるが、みんな「楽しい」と口をそろえる。
同校は、児童数が２７人になる０７年度いっぱいで大月東小学校に統合される計画が進んでいる。りんぺいと、ゆみかは他の２人の同級生とともに最後の卒業生となる可能性が高い。そんな地区をバンド演奏で元気にしようというのがみんなの願いだ。
河野さんは「みんなで作り上げる大切さを知ってもらえれば。これからも練習を続け、演奏活動をさせたい」と話す。
大月バンドフェスタは大月市を拠点に活動しているアマチュアバンドによるコンサート。今回は１１グループが参加し、２５日午前１１時から大月市民会館大ホールで開かれる。
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