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2007年03月23日(金) 00時00分

知事選告示 一騎打ち 16年ぶり朝日新聞

 統一地方選のトップを切って、知事選が22日、告示された。共産党公認の新顔宇野邦弘氏(55)と、現職で再選を目指す無所属の西川一誠氏(62)=自民、民主、公明、国民新推薦=が立候補を届け出た。現職と共産党公認の新顔候補による一騎打ちは、91年以来16年ぶりとなった。国政選挙でしか認められていなかったマニフェスト(政策公約)の配布が、公職選挙法の改正で今回の統一選から首長選でも解禁され、県内も両陣営による初の「マニフェスト選挙」となる。投票は4月8日で、即日開票される。

 立候補の受け付けは午前8時半から県庁地下1階であった。県選管の説明後、両陣営の関係者がくじを引き、届け出順が決定。選挙運動用の腕章など「七つ道具」を受け取り、第一声の会場に急いで向かった。

 宇野氏は午前8時半から、福井市文京2丁目の事務所前で出発集会を開いた。比例区選出の共産党参院議員や県議選の立候補予定者らが応援に駆けつけ、自民、民主などが相乗りで相手候補を支援していることを批判した。

 宇野氏は第一声で、大型公共事業優先の県政を福祉や教育中心に切り替えると主張。最後に集まった支持者らは「ガンバロー」と拳を突き上げ必勝を期していた。この日、宇野氏は選挙カーで福井市内を回り、約20カ所で街頭演説をして支持を訴えた。

 西川氏は午前9時前、同市中央1丁目の福井西武前で出陣式を開催。県内選出の国会議員や推薦団体の代表、各市町の首長、県議らが応援に駆けつけた。松村龍二参院議員(自民)は「西川氏には近代的なすっきりとした県政を進めていただいた。圧倒的な票数で当選させてほしい」と県政の継続を呼びかけた。高木毅衆院議員(同)も「素晴らしい成績で2期目の当選を」と訴えた。

 西川氏はマニフェストに基づく1期目の実績を強調。2期目に向けた新しいマニフェストのビラを手に、内容を説明し支持を求めた。

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■候補者の第一声(届け出順)

◆宇野 邦弘(うの くにひろ)候補 (55)共新

 いよいよ出発の時だ。医療費負担の増加や、労働条件の悪化などで県内にも格差と貧困が広がっている。将来を不安に思う県民の思いにどう答えるかが今回の知事選で問われている。

 西川県政は国の言いなりになって大型公共事業に税金をつぎ込んできた。共産党以外の政党もオール与党で県政を支えてきた。地方自治体の本来の役割は住民の暮らしを守ることだ。県政を福祉や教育中心に切り替えたい。

 北陸新幹線や足羽川ダム、九頭竜川のパイプライン事業などの大型公共事業を総点検し、見直しや中止を考える。福井県は原発の危険の代償としての税収も多いが、無駄遣いをやめ、国民健康保険税の助成や小学校卒業までの医療費無料化、30人学級の実現、障害者支援制度の創設などを実現していきたい。

 原発の増設やプルサーマル計画は認めず、事故を隠すような安全意識に欠ける企業にはきっぱりと物を言う。今の県政を変えたいという県民の思いを代弁する候補者として党派を超えた大きな支持を集めたい。

◆西川 一誠(にしかわ いっせい)候補 (62) 無現

 今回の選挙から選挙期間中もマニフェスト(ビラ)の配布が可能になった。マニフェストをもとに支援を訴え、意見を聞き、修正を加えて実行していきたい。

 1期目はマニフェスト「福井元気宣言」を掲げ、県政を推進してきた。今回も社会、産業、県土、県政の「4つの『元気』と10の政策」からなるマニフェストを提示した。

 4年間で失業率は日本一低くなった。これからは労働者の生活の質を向上させ、会社の発展につなげるサイクルをつくりたい。子供一人一人の将来を考えた教育や安心して老後が過ごせるよう福祉の向上に努め、暮らしの質を高める。

 災害、原子力の問題にはスピードと決断をモットーに全力で取り組む。産業は福井を拠点に世界に発展できるよう支援する。機能的な農業を進め、生涯従事できるよう応援したい。新幹線は富山県、石川県との同時期開業をめざす。

 これからは、行政と住民が共同でまちづくりをしていく時代。自主自立で、県が全国に知れ渡るようにしたい。

http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000000703230004