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2007年03月23日(金) 00時00分

知事選に2氏立候補朝日新聞

 「4党相乗り」か「オール与党批判」か——。県知事選が22日告示され、いずれも無所属で、新顔の辻井良和氏(71)=共産推薦=と、現職の野呂昭彦氏(60)=自民、民主、公明、社民推薦=の2氏が届け出た。2氏は早速、中北勢で支持を訴えた。4月8日の投開票まで、県内を駆けめぐる選挙運動が幕を開けた。

◆「相乗り」県民の判断は◆
 辻井氏は、津市大門のビル前で第一声を上げた後、すぐに地元鈴鹿市へ向かった。選挙カーから「県予算約7千億円の3%を節約すれば、福祉が充実できる」などとマニフェストに掲げた内容を訴えながら、助手席から手を振った。

 同市の近鉄白子駅前では、共産党の佐々木憲昭・衆院議員が「辻井さんは年50件の生活相談を受けていて、弱い立場の人を守れる候補」と応援。鈴鹿市駅前では辻井氏がA4判のマニフェストを片手に演説し、「鈴鹿市議を24年間務めた」と強調した。四日市市では、萩原量吉・前県議の応援を受け、近鉄四日市駅前など3カ所で福祉の充実などを主張した。

 出発式を終えた野呂氏は、大きく「みえけん愛」などと書いた選挙カーに乗り込み、「行ってきます」と出発。辻井氏が第一声を上げた後の津市大門のビル前で降り、1期4年の実績と2期目への意欲を約15分間、熱弁した。

 その後は「個人で支持者回り」(選挙事務所)。午後5時半からは再び、津駅前でマイクを握った。用意した台に上り、「ごみゼロ社会実現のプランを作り、市町の皆さんと展開している」と、現職らしく実施中の政策もアピールした。

 聴衆は、大門でも駅前でもまばら。聞いていた男性会社員は「動員をかけないなんて、余裕だね」と話した。

◇◆野呂氏出発式に県議17人出席 祝電も15人◆◇
 野呂氏の出発式には、昨年12月に成立した県議会基本条例で「知事とは緊張ある関係を保ち、独立・対等の立場」とうたった県議会の議員17人(代理1人も含む)も出席した。藤田正美議長は、県議会代表としてあいさつに立った。日ごろは「知事与党ではない」と主張する県議会だが、知事選では一変して条例の理念は宙に浮いた。

 出席した県議は、自民・無所属・公明議員団が代理を含め10人、新政みえが5人、未来塾1人、自民党青雲会県議団1人。藤田議長は「知事に是々非々で臨む立場だが、支え合う社会をつくる方向性は同じ」とあいさつした。式後、条例との整合性を問われた藤田議長は「儀礼的なもの。難しいことは聞かないで」と言葉を濁した。

 欠席した県議26人のうち15人は祝電を寄せた。何もしなかった県議は11人で、その1人は「条例でうたった以上、出られるわけはない」。新顔の辻井氏の元には、県議からは1通の祝電も届かなかった。(壱田和華子)

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