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2007年03月23日(金) 00時00分

倉敷市、開票所の配置大幅変更朝日新聞

■1時間の短縮目指す/玉野市後半戦 読み取り機試験導入

 統一地方選の開票作業のスピードアップを目指し、あの手この手で工夫する自治体がある。倉敷市は開票所のレイアウトを大幅変更して1時間の短縮を目指し、玉野市は後半戦の市議選に投票用紙の文字を読み取る機械を試験導入する。県北部を中心に、2時間の投票繰り上げで開票終了時刻を早めるところもある。選挙結果は有権者最大の関心事だけに、開票作業のスピードアップも住民サービスの一つといえ、自治体の意欲と能力が問われそうだ。

 開票作業のスピードアップは、元三重県知事で、早大マニフェスト研究所の北川正恭所長(大学院教授)が先進事例を紹介したり、研修会を開催したりして、全国的な流れになっている。県選管も、市町村に先進的な取り組みを紹介し、迅速化を後押しする。

 倉敷市は、今回の県議選でも水島緑地福田公園体育館で開票する。同市選管はスペー
スの有効利用に最大限知恵を絞る。

 これまで、候補者ごとに票の仕分けをする開票台と、仕分け後の票を点検する点検台を分けていたが、今回は、開票台と点検台を兼用させる。選挙になった前々回県議選(99年)に比べ、開票台として使える卓球台や机がほぼ2倍増の30台になり、前回より約100人増の約500人の職員が一斉に仕分けや点検に携われるようになる。

 「腰を曲げた姿勢での開票作業は疲れで集中力が低下する」と、脚の長い机を購入したり、卓球台に断熱材を置いてかさ上げしたりして、台の高さを約10センチ高くして約84センチにした。いすに座ってしていた票の点検も「効率が上がる」と、立ってすることにした。

 こうした工夫で、同市選管は前々回より1時間18分早い2時間での開票終了を目指す。担当者は「机などの資材を購入するが、時間短縮による人件費軽減で長期的には経費節減につながる」とみている。

 玉野市は、後半戦の市議選で、投票用紙に書かれた名前を読み取る機械を試験的に導入する。「職員数が減り、財政的にゆとりはない」(同市選管)という状況の中、後半戦で選挙がない笠岡市などから1台約270万円の機械3台を借りる苦肉の策だ。

 この機械は、事前に候補者名をコンピューターに登録すると、1分間で最大480票を仕分けられる。前回は約150人が、手作業で「あかさたな順」に仕分けした後、再び手作業で候補者別に仕分けしていたが、今回は機械の導入で開票が早まると見込む。

 午前0時10分に開票が終了した前回よりも早い終了を目指す同市選管の藤原和明次長は「今回の時間短縮効果や作業した職員の感想を聞いて、自前で購入するかどうか考えたい」としている。

 県北部では、通常は午後8時までの投票時間の終了を早くする繰り上げが広がっている。県選管によると、市町村全域を対象に繰り上げを予定しているのは、27市町村のうち19市町村。合併前の旧市町村数では57になり、前回県議選の78市町村中18町村に比べ3倍以上になった。もともと午後6時以降に投票する有権者が少ないうえに、期日前投票の手続きが容易になっていることも繰り上げ実施が広がった要因とみられる。

http://mytown.asahi.com/okayama/news.php?k_id=34000000703230001