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2007年03月23日(金) 21時10分

納豆以外に捏造3件、改ざん4件 「あるある」報告書朝日新聞

 フジテレビ系の生活情報番組「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題で、制作した関西テレビから委嘱された社外有識者による調査委員会(委員長・熊●勝彦元東京地検特捜部長)は23日、過去の520回の放送分すべてを検証したとする報告書を公表した。同社がすでに捏造を認めた「納豆ダイエット」を含め計16件で問題があったと指摘。再発防止策なども提言した。

調査委員会の熊●勝彦委員長(右)から報告書を受け取り、頭を下げる千草宗一郎・関西テレビ社長=23日午後3時35分、東京都内のホテルで(●は崎の大が立)

捏造・改ざんなどが指摘された番組

 調査委が指摘した16件の内訳は、「2005ダイエット総決算SP」(05年12月放送)など、日本語のボイスオーバー(吹き替え)による捏造が4件、「寒天で本当にヤセるのか!?」(05年6月放送)など、実験はしたものの番組構成に合わせてデータを操作した「改ざん」が4件。これらはいずれも「納豆ダイエット」の制作会社「アジト」が担当していた。残り8件については、実験方法が不適切だったり、研究者の確認をとらなかったり、などの問題があったとした。

 関テレが2月に公表した社内調査報告書では、「納豆ダイエット」をはじめ、「有酸素運動の新理論」など4件について捏造の疑いがあるとしていた。

 捏造が起きた要因として、情報の正確性よりも面白さや分かりやすさを重視する生活情報番組の危うさ、制作費削減の影響など、11項目を列挙。放送界全体の構造的な問題と指摘した。

 その上で、再発防止に向け、視聴者の意見や苦情を検討する「放送活性化委員会(仮称)」の設置や、科学番組のあり方を検証する連続ドキュメンタリー番組の制作などを提言した。

 熊●委員長は会見で、「関西テレビには当事者意識が欠けていた」と指摘、捏造を認識していなかったとしても、「放送した責任は全面的に負うべきだ」と厳しく批判した。ただ、同社に「事実に反する」という認識はなく、放送法違反とまでは言えないとした。

 熊●委員長から報告書を手渡された関西テレビの千草宗一郎社長は「内容を精査し、当社の最終的な見解をまとめる」と話した。27日に最終報告書を総務省に提出、その後2日以内に訂正放送をする。

 今回の報告書について菅総務相は「予想より多くの新たな捏造が報告されていた。週明けの最終報告書を見て、速やかに処分したい」との意向を示した。

 ※●は崎の大が立

http://www.asahi.com/national/update/0323/TKY200703230292.html