不正が発覚したのは、いずれも完全子会社の井関熊本製造所(熊本県益城町)、井関松山製造所、井関邦栄製造所(ともに松山市)。3社は本来は製造原価として計上すべき金額を、製造途中の資産である「仕掛かり品」として計上。利益を水増ししていた。
今月5日、熊本製造所が07年3月期の業績が大幅な赤字になると報告。これを受け、井関が熊本を含む四つの製造所を調査したところ、井関新潟製造所を除く3社で同様の不正が発覚した。井関は3社の社長と担当部長ら8人を更迭。今後1年間、役員給与を30%カットする。
この日会見した井関の中野弘之社長は「株主や関係者に多大なご迷惑をおかけした」と謝罪。これまでの調査で関係者は「目標達成のプレッシャーを感じていた」と話しているという。井関は弁護士ら社外の人材を入れた外部委員会を近く立ち上げ、原因を究明する。
井関が同日修正した07年3月期の連結業績見通しは、営業利益が2月9日発表時より17億円減の38億円、経常利益は同18億円減の32億円、当期利益は同14億円減の11億円。水増し額を調査したうえで、再度修正する可能性もある。