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2007年03月23日(金) 23時07分

イラン軍、英海軍と海兵隊15人を拘束 英国防省が発表朝日新聞

 英国防省は23日、英海軍と海兵隊の兵員計15人が同日午前、イラク領内の水域でイラン軍に身柄を拘束されたと発表した。英外務省は同日、駐英イラン大使を召喚し、全兵員を即時解放するよう要求した。英国は22日、独仏両国と共同で対イラン追加制裁決議案を国連安全保障理事会に提出、24日にも採択される見通し。イラン側が今回の拘束を政治圧力として利用するとの観測が広がっている。

シャトルアラブ川

 英BBC放送によると、拘束された英海軍の兵員らは、バスラ沖のペルシャ湾を巡回中の英駆逐艦から二つのボートに分乗。イラン・イラク国境を流れるシャトルアラブ川のイラク側の河口付近で商船の積み荷の検査にあたっていたところ、イラン軍の船に囲まれた。全員が身柄を拘束され、イラン領へ連行されたという。現場近くでは04年7月、同様の拘束事件が起きている。

 ペルシャ湾ではイラン革命防衛隊が軍事演習を行っていた。イラン国営放送は22日、革命防衛隊がここ2カ月間で4度目となる演習を同湾の領海内で開始したと報じた。新型潜水艦やミサイル発射能力など海軍力を試験するとしている。防衛隊の海軍司令官は「米兵は一兵たりともイラン領内には入れさせない」と述べている。

 米メディアは、米軍がペルシャ湾からイランの核施設に向けた軍事攻撃を始める可能性を報じることが増えており、イラン側の軍事演習は米軍を牽制(けんせい)するとともに、国内の士気を鼓舞する目的がある。

http://www.asahi.com/international/update/0323/017.html