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2007年03月23日(金) 00時00分

槙原「証拠出せ」松本零士氏訴える朝日新聞

 シンガー・ソングライター槙原敬之(37)が「『銀河鉄道999』のセリフを無断で使用された」と槙原を非難した漫画家松本零士氏(69)に対し、盗作の証拠提出を求める訴えを東京地裁に起こしていることが22日、分かった。証拠がない場合、2200万円の損害賠償も求めており、第1回口頭弁論が今月末に予定されている。

 槙原と松本氏の盗作問題が、法廷闘争に持ち込まれた。槙原はこのほど、松本氏に盗作した証拠の提出を求める「著作権侵害不存在確認等請求」の訴えを東京地裁に提出した。証拠が示されなかった場合、仕事上のダメージを受けたとして、2200万円の損害賠償を求めるとしている。来週、第1回口頭弁論が予定されている。槙原の所属事務所は「代理人に任せているのでコメントできない」と話している。

 盗作騒動が起こったのは昨年秋。松本氏が、槙原作詞・作曲の曲「約束の場所」(歌はケミストリー)の歌詞の一部が「『銀河鉄道999』のセリフの無断使用」として、槙原に謝罪を求めたことから始まった。問題の歌詞は「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」。松本氏は「銀河鉄道−」の「時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない」のセリフを盗作したとマスコミに対して主張した。「ここ10年、私の講演テーマとして何度も若者に語りかけた言葉」として、槙原がセリフを知らないはずがないとした。

 これに対し、槙原は盗作を完全否定した。自分の公式ホームページで「『銀河鉄道−』を個人的な好みから1度も読んだことがない。盗作の汚名を着せられた」と訴えた。騒動でCM放送休止のダメージも受け、逆に松本氏に「謝ってほしい」とした。

 当初、双方とも法廷闘争に持ち込む意思は示さず、収束したとみられていた。しかし、槙原側はシンガーソングライターにとって最も屈辱的な「盗作者」とされたまま、活動を続けるのに納得できなかったようだ。昨秋から平行線だった両者の言い分は、司法の判断に委ねられた。


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