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2007年03月23日(金) 00時00分

娘の夫 一方的に離婚話読売新聞

 50歳代女性。結婚3年になる20歳代の娘が、夫から一方的に別れるよう言い渡され、我が家に帰ってきました。

 1歳の子も一緒です。娘が夫に理由を尋ねると、「君がぼくの母親とうまくいっていないから、板挟みになって耐えられない」と言われたそうです。しかし夫の母親と娘は別に暮らしていて、これまで4回しか会っていないのです。

 納得できないため、夫の母親に思い切って電話をしました。すると「最初から結婚自体を認めていなかった。結婚式当日も、息子に結婚をやめるよう説得していた」という返事。孫の話をすると、「孫が何だって?」とすごんできました。

 娘の夫が、母親の言いなりになり、娘たちを捨てたことがわかりました。娘の夫は3年間これらのことを隠し、結婚生活を続けていたのです。私たちは詐欺にあったようなものです。夫の責任を慰謝料という形で追及しようと考えていますが、相手は応じません。どうすればよいでしょうか。(大阪・S子)

 娘さんが、夫の母との不和を理由に家を追い出されたとのことですが、具体的にどんなトラブルがあったのでしょう。

 結婚は、夫の家としたわけではなく、夫の母との関係は、夫婦とは別ですから、不仲であるというだけでは、離婚理由とはなりません。ただ、娘さんが、夫の母とのトラブルを改善する努力をしなかったために、夫婦関係までおかしくなったのであれば、離婚が認められることもあります。

 娘さんは、夫の母とは別に暮らしていて、会う機会も少なかったようなので、妻と母との板挟みに耐えられないという夫の主張は、口実に過ぎない気もします。夫の母の言い分より、夫婦の気持ちが大切です。一度、直接夫と会って、別居に至った原因を問いただしてみてはいかがですか。

 夫が応じないなら、家庭裁判所に「夫婦関係調整」の調停を申し立てて、話し合って下さい。夫の責任もさることながら、娘さん自身も、母親の言いなりになっている夫と生涯を共にできるのかどうか、考え直す必要がありそうです。

 (土肥 幸代・弁護士)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/danjo/20070323sy31.htm