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2007年03月23日(金) 23時18分

「あるある」捏造さらに4件、外部委報告書読売新聞

 フジテレビ系で放送された「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題で、番組を制作した関西テレビの外部調査委員会(委員長=熊崎勝彦・元最高検公安部長)は23日、調査報告書をまとめ、千草宗一郎・同社社長に手渡した。

 この中で同委員会は新たに、捏造4件、不適切な表現8件を指摘。これで問題のあった番組は捏造が8件、不適切な表現が8件の計16件となった。

 関西テレビは27日、総務省近畿総合通信局に報告書を基にした最終的な見解を文書で提出し、それから2日以内に訂正放送を行う。総務省はこの見解を踏まえ、処分を検討する。

 新たに捏造が判明した4件のうち、2005年12月の「2005ダイエット総決算SP」は、以前の番組に登場した外国人教授から電話がかかってきた場面が放送されたが、実際には電話はなく、内容も都合のよい発言に変えられていた。

 ほかの3件は、同年6月の「寒天で本当にヤセるのか!?」で、血液検査で得られた血糖値を、本当は正常値だったのに異常値にするなど、データの改ざんによる捏造だった。

 問題の発端となった「納豆ダイエット」について、報告書は「制作会社アジトの担当ディレクターらが偶発的に起こした問題ではなく、以前から全社的に行われていた、不適切な番組制作の延長線上で引き起こされた」と結論。関西テレビの責任については「幹部に危機意識が薄く、再発防止の仕組みを構築してこなかった。取締役と制作担当者らの社会的責任は極めて大きい」と厳しく指摘した。

 また、再発防止策として〈1〉取締役会決議による番組制作ガイドライン(指針)の制定・公表〈2〉企業情報の開示——などを挙げ、検証番組の制作や視聴者からの苦情・意見を受け付ける「放送活性化委員会(仮称)」の設置などを提言した。

 記者会見した熊崎委員長は「実効性のある再発防止策を行うには、高度な倫理観に支えられた人が必要。人材の育成を大事にしていく姿勢が重要」と述べた。

 同委員会は、音好宏・上智大助教授、作家・吉岡忍氏ら5人の委員で構成。番組資料を精査し、延べ100人以上の関係者から聴取してきた。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070323it13.htm