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2007年03月20日(火) 12時04分

JR宝塚線事故犠牲者2人に在学証書 近畿大で卒業式朝日新聞

 兵庫県尼崎市で05年4月にあったJR宝塚線(福知山線)の脱線事故で亡くなった下浦善弘さん(当時20)=神戸市北区=と、木下和哉さん(同22)=兵庫県三田市=が通っていた近畿大(大阪府東大阪市)で20日、卒業式があり、2人に「在学証書」が贈られた。卒業生に卒業証書と学位記が授与された後、畑博行学長が下浦さんの両親に壇上で手渡した。出席できなかった木下さんの遺族にも後日、届けられるという。

JR宝塚線事故で亡くなった下浦善弘さんの在学証書を受け取る両親の邦弘さん(右)と秀子さん=大阪府東大阪市で

 事故当時、下浦さんは法学部3年。家族によると、卒業後も実家に残れるよう公務員を目指し、試験勉強に熱心に取り組んでいたという。木下さんは理工学部3年だった。ボート部の練習で忙しくても、学業の課題をきっちりこなしていた姿を、友人たちは覚えている。

 在学証書を受け取った下浦さんの父、邦弘さんは「思いがけず式に呼んでいただき、大学の心遣いに感謝している。善弘もたくさんの友達の卒業を確認できて、喜んでいるだろう」と話した。

 近大では2人の他、経営学部2年だった濱端諒介さん(当時19)=同県西宮市=が犠牲になった。

http://www.asahi.com/national/update/0320/OSK200703200022.html