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2007年03月20日(火) 00時00分

北朝鮮向け短波ラジオ 国内から情報発信可能に朝日新聞

 菅総務相は20日の閣議後の記者会見で、北朝鮮向け短波ラジオ「しおかぜ」を運営する特定失踪(しっそう)者問題調査会(荒木和博代表)に対し、日本国内から短波放送を発信できるように周波数を確保し、22日付で無線局免許を交付することを明らかにした。国際短波放送を運営する国内の放送事業者はNHKしかなく、しおかぜに対する周波数確保は異例の措置となる。

 「しおかぜ」は05年10月に放送を開始。拉致被害者らへのメッセージを1日2回、北朝鮮向けに流している。日本ではこれまで利用できる周波数がなく、英国の放送配信会社に委託して北朝鮮の近隣国から流している。

 菅総務相は昨年10月、「しおかぜ」への支援を表明。国際電気通信連合(ITU)に対して国際放送のための新たな周波数の割り当てを働きかけるほか、NHKの送信所を活用するなどの支援策に乗り出す考えを示していた。

 ITUでの手続きは18日に完了したとして、22日に短波放送をするための無線局開設の免許を交付する予定。NHKもすでに、国際短波放送用に独占使用しているKDDI八俣送信所(茨城県古河市)を同調査会が使うことを容認している。

 菅総務相は会見で、「しおかぜが日本から安定的、継続的に情報発信することで、拉致被害者に希望を持っていただき、一刻も早い拉致の解決につながればうれしく思う」と述べた。

http://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200703200134.html